イヲマルは暗くて冷たい井戸の底で三日三晩すごした。
三日目の夜、とうとう寂しくなって泣き出してしまった。
泣きながら、ふと、初めて妖術が使えたときのことを思い出した。
小さな一粒の種からたくさんのアサガオの花が咲いた時の
メノの喜んだ顔が浮かんできた。
すると、不思議と寂しさなんて忘れて嬉しくなった。
「そうか…そうだったんだ」
イヲマルはなんとなく、妖術が何のためにあるかがわかった気がした。
次へ